正しい正座でシビレにさようなら

突然だが、最後に正座をしたのはいつだろうか?

西洋式の椅子に座る文化が浸透している今日の日本では、正座をする機会が減少している。
しかし、履物を脱ぎ、膝を揃えてたたむこの伝統的な座法を、いつどこで求められるともわからない。

そんな時に困らないように、恥ずかしい思いをしないように、今回は正しく美しい、そして足がしびれにくい座り方を紹介する。

 

正座②

◎正しい正座をするために

まず、足の親指同士が軽く重なるくらいに足を揃え、膝と膝とを握りこぶし1つ分ほど開く。こうして出来た下半身の土台の上に、上半身を軽く乗せるように座る。
手は控え目にひざの上か太ももの上におき、背筋をまっすぐ伸ばす。
腰が沈んでいたり、猫背になってしまうと、格好が悪い。視線はきちんと前方に。
正しい正座は下半身が安定するため、自然かつ楽な呼吸になる。また、交感神経の緊張を高め、集中力が増すのである。

◎しびれ対策

すぐに足がしびれる人は、足の甲をべったりと床につけて座り、血管を圧迫している可能性がある。このため、血行が悪くなり、足がしびれてしまう。
同じ場所に体重がかかり続けるのを避ける事が大切である。
まずは体の重心を足ではなく少し前にかけることだ。あごを引いて背筋を伸ばすと重心が少し前になる。こうしてかかとや足の甲に体重をかけないようにするのだ。
次にかかとを開くことだ。かかとを開いて、お尻をかかとに直接乗せないように、外側に足を倒してその上に座る。ただし、開きすぎてもしびれやすくなるので注意が必要だ。

足の親指同士を重ねるのも効果的だ。

 

正座③

片方の甲が少し浮くので血流が良くなり、負担が少なくなる。親指はときどき上下を逆にしたり、重ねる位置を変えたほうが良い。ほかに、膝を少し離したり、微妙に前後左右に重心を移動させてみるのも良い。また、親指を重ねることで、かかとが開きやすくもなる。

なかでも効果が高いのは、『跪坐(きざ)』だ。

正座④

これは、両足のつま先を立てて、つま先立ちと同じ足の形で座る方法。こうして座り、かかとの上に腰を落とし重心をかけていると、早くしびれがとれる。さり気なくできるので、しびれてしまった後でもオススメだ。

 

これらのしびれにくくする工夫は、膝や腰、足関節を痛めないためでもある。
ちなみに、立ち上がってすぐに前進すると転びやすいので、まずは後ろに下がり、それから歩き出すとうまくいくだろう。

これで見た目も足のしびれも気にせずに、正座以外のことに集中できる。 そして長時間座った後、スッと自然に立ち上がるあなたは、周囲から羨望の眼差しを向けられることだろう。

正座⑤

 

参考:
日本文化いろは辞典
日本正座協会

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