大空へ飛んでゆく玩具

IMG_44781

なびく風と共に宙を舞う玩具と聞かれ、何が思いつきますか?
日本では、羽子板や福笑いなどと共に正月遊びとして愛されている「凧」があります。
その日の天気はもちろんのこと、風の強弱や向きによって左右されてしまうのもひとつの味ともいえるでしょう。
今回は日本の玩具であり、アートの一つとも言える凧について紹介します。

◎起源

凧は、元々中国から入ってきた玩具の一つです。
そして実は「凧」とは関東の方言であり、関西では「イカ」または「いかのぼり(紙鳶)」と呼ばれていました。1600年代半ばに「いかのぼりあげ禁止令」や「タコノボリ禁止令」などの札が上がったことにより「凧(タコ)」として定着するようになりました。
中国発祥の凧は、「紙鳶(しえん)」という呼び名であり、昆虫や鳥、竜や鳳鳳をはじめとする伝説上の生き物が描かれるのが定番でした。
日本に入ってきたのは、平安時代とされており、竹の骨組みに和紙を張った「和凧」は江戸時代からといわれています。

IMG_4473

◎海外の凧

凧は日本独自の遊びではなく、世界各国で見ることも出来ます。アメリカやイギリスではKite(とんび)
ドイツではDrachn(竜)
フランスではCerf-Volant(クワガタムシ)
インドではSarugal(紙で作って飛ぶ)
日本の裏側にあるポルトガルではPa Pa Gaio(おうむ)として知られています。各言語意味が違い、ドイツ語では大空を舞うことから竜みたいと言われるようになりDrachnという名が付きました。その国に浸透する名が付けられたのでしょう。

◎種類

凧にも様々な種類があり、外国からきたものや地域特有のものがあります。

IMG_4409

・角凧:最も一般的。正方形や長方形
・ぐにゃぐにゃ凧:二本の棒にビニールを付けたもの
・ゲイラカイト:米国で発明。三角形なのが特徴的。
・せみ凧:せみの形をした凧。
・六角凧:新潟県三条市のもの。
・丸凧:静岡県袋井市で伝承されている。
・シコフレックス:筒状で短いもの。

◎凧揚げ大会

正月の遊びの一つとしても愛されていますが、実は日本各地で大会が行われています。
時期は、正月と5月の端午の節句の行事として子供の成長を願うと同時に親子で楽しむイベントとなっています。

◎最後に

世界一大きい凧のサイズをご存知ですか?
実は、世界一大きい凧の飛翔に成功したのは日本であり、
2006年1月8日~9日に東京都中央区晴海にて1000㎡、約250㎏の凧揚げに成功しました。

IMG_4430

電柱にひっかからぬようにしたり、風の強弱で凧の行方は変わりますが、凧に夢を託し、大空を舞う姿を見たくありませんか。
近年では、デザイン重視の凧やミニチュアサイズ、室内用のものまであります。凧揚げで日本の文化を感じてみてはいかがでしょうか。

IMG_4460

 

参考:
凧の博物館

フォローして頂くと、更新情報を受け取ることができます。

「ものがたり」を共有する...