4月8日に「花まつり」という行事があることを知っていますか?
年中行事の中ではあまり馴染みが無いかもしれません。そこで今回は、花まつりと、その行事食である「甘茶」についてご紹介いたします。
◎仏教行事として
「花まつり」は実は「灌仏会(かんぶつえ)」という仏教行事の別名で、釈迦が旧暦の4月8日に生まれたという伝承に由来する、釈迦の誕生日を祝うものです。元々はインドの仏事であり、奈良時代に仏教伝来とともに広まり日本の年中行事になりました。
たくさんの花で飾った「花御堂(はなみどう)」に誕生仏を置き、その体に「甘茶」をかけて祝います。これは、釈迦が生まれた時に蓮の花が開き、それとともに天に住む九頭竜が喜び、産湯代わりに「甘露の雨」を降らせたという言い伝えによるものです。
そのため甘茶は霊水とされ、参拝者は誕生仏に甘茶を灌(そそ)いでから持ち帰り、家族で飲むことで息災延命を祈願します。
◎甘茶と飲用効果
甘茶は、普通のお茶に砂糖を入れて甘くしたものではありません。
ユキノシタ科のアマチャ、もしくはウリ科のアマチャヅルから作られるお茶で、麦茶のような色をしています。本州の産地で自生していますが、庭先などで栽培もされます。アジサイ属の植物なので、見て楽しむこともできますね。
甘茶の葉は乾燥されると甘味成分のフィロズルチンとイソズルチンを生成し、砂糖の約500~1000倍甘く感じるともいわれています。その甘さに対してゼロカロリーということから、砂糖を制限されている糖尿病患者の代用甘味料として利用されています。
また、甘茶は生薬として、薬理作用として抗アレルギー作用、歯周病にも効果があります。
さらに、お茶とは違いノンカフェインなので小さなお子さんや妊婦さんも安心して飲むことができます。
◎飲み方
甘茶の服用方法として煎じ方、作り方は地方によって多少異なりますが、簡単なものをご紹介します。
食材(1リットル分)
・甘茶 5g
・湯 1リットル
① 沸騰した湯に甘茶を入れる。
② 好みの甘さになったら甘茶を引き上げる。目安時間は20~30秒。
※甘味成分のフィロズルチンは長時間煮詰めると苦味成分のタンニンが多く出て苦みを感じるので注意してください。
~最後に~
甘茶はインターネットでも手軽に購入することができます。お寺に行く時間がない方や普段は甘茶を飲まない方は是非一度、4月8日に味わってみてはいかがでしょうか。
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