第十九回 しゃれ帯展〜ゲーム〜

日本には、各地に根ざした工芸品が多数あります。今回は、東京で受け継がれてきた伝統工芸品「東京手描友禅」の職人グループが主催する作品展を訪れました。

「ゲーム」をテーマとして、オリジナリティ溢れる見ていて楽しい作品がたくさんありました。それではイベントについてご紹介します。

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第十九回 しゃれ帯展〜ゲーム〜

日程
 平成28年9月27日㈫〜10月2日日曜
 午前11時~午後6時 (最終日のみ午後5時迄)
場所
 ギャラリー「サロンドフルール」
 〒107-0062 東京都港区南青山5-7-25 ラ・フルール南青山1F
アクセス
 地下鉄 銀座線・千代田線・半蔵門線
 「表参道駅」B1出口より2分/B3出口より3分
 (※B3出口にはエスカレーターがあります)
主催
 グループ21
イベントURL・Facebook
 URL : http://www.dentou-kougei.com/syareobi/syareobiten.shtml
 Facebook : https://www.facebook.com/events/1172452332798073/

◎しゃれ帯展とは?

「しゃれ帯展」は、グループ21が主催しており、このグループ21は東京手描友禅の組合を母体とした、東京在住のプロ染色作家によって構成されたグループです。

しゃれ帯展とは、毎年テーマを決め、作家たちがテーマ作品を含む新作を発表します。
年に一回、9月〜10月にかけての秋頃に開催される作品展です。

しゃれ帯展は東京都・青山にあるギャラリーで開催しています

しゃれ帯展は東京都・青山にあるギャラリーで開催しています

◎2016年のテーマは「ゲーム」

2016年のテーマは「ゲーム」。
今年のイベントは、テーマにちなみ作品を展示している職人と「じゃんけん」で3回勝つと、帯の仕立て代が無料になります。(※当イベントで購入した帯に限ります。)

では、「第十九回 しゃれ帯展〜ゲーム〜」に出展している作家の作品と共に、イベントの様子をご覧ください。

(※画像をクリックすると大きく表示することが出来ます)

◎職人10名による新作

「しゃれ帯展」を企画・運営するグループ21は10名の職人が所属しています。今回は「ゲーム」をモチーフにした作品以外にも、各職人の新作が展示されています。

グループ21/しゃれ帯展 出展職人
阿部 信行 岩間 奨 熊澤 吉治 佐藤 洋宜 染谷 洋
田中 順子 田邉 慶子 本田 早苗 町田 久美子 宮崎 桂子

(※画像をクリックすると大きく表示することが出来ます)

◎責任者よりメッセージ

最後に、しゃれ帯展の責任者である佐藤洋宜さんにお話を伺いました。

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「しゃれ帯展」責任者の佐藤氏

−−しゃれ帯展のはじまり
「しゃれ帯展は、東京手描友禅の組合の同支部メンバーによって企画・運営しています。
元々は、支部のメンバーで旅行に行くために各々でお金を貯めていたのですが、せっかくなら旅行ではなく、自分たちの作品をアピールするためにお金を使おう、ということで始まりました。」

−−組合全体との差別化
「組合全体のコンクールだったり、染芸展などがあるのですが、支部メンバーだけで作品を発表する場を作ろうとなりました。
でも当時、”着物だと少し気分が重い”という意見がありました。どうしても、着物の展示だと会場の敷居が高くなりがちであり、来場してくださる方も限られてきてしまう。そこで帯のみにすることによって組合のコンクールなどと差別化できるかなと思ったんです。」

−−しゃれ帯展を実際に開催してから
「最初は、職人と消費者が直接触れ合う機会となるので、消費者の皆様から意見を聞けるだけではなく自分たちの作品が売れるのではないかと期待していたんです。ですが、実際に開催してみると売れる時もあれば売れない時もある。
でも、開催回数を重ねると消費者だけではなく、業者の方も来場してくださるようになったんです。それから、しゃれ帯展をキッカケとして次のお仕事が決まるようになりました。

また、こういう展示会を開催することで、一つの目標となるんです。東京手描友禅は毎年、染芸展を開催しておりますが、しゃれ帯展は染芸展の約半年後の開催となるので、年に2回展覧会にむけて新作を作るという動機付けにもなっているんです。」

−−最後に
「東京に「手描友禅」があるということを知らない人が多いので、まず東京にもあるということを知って頂きたいです。
ときに、「カルチャーでやっている人が作った作品」と間違えられてしまうことがありますが、実は職人がこれらの制作を生業にしていることを知って頂きたいです。そして、本イベントは問屋さんや呉服屋さんではなく、職人自らが企画・運営しているイベントです。是非、ご来場頂き我々の作品を見て頂けたらと思います。」

〜筆者より〜

職人10人によって形成された「グループ21」。そして職人自らが企画・運営する「しゃれ帯展」。
今回のテーマは「ゲーム」ということもあり遊び心がある作品が多いです。着物を普段着ない方も見ているだけで楽しめるイベントになっています。
また、着物をフォーマルウェアと捉える人も多いと思いますが、作品を目にすれば印象がガラリと変わることでしょう。ぜひ「しゃれ帯展」へ足を運び、遊び心のある帯の数々を見て頂けたらと思います。

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