日本刺繍作家 宮崎静花

宮崎静花
宮崎静花(Seika Miyazaki)
東京都出身。日本刺繍作家・静花流宗家。 
色彩豊かな配色作りから糸撚りの太さにも強弱をつけ、立体感、遠近感のある作品が特徴。 日本の工芸・手工芸の発展と、技術の向上を目的としたネオ・ジャパニズム委員会の委員長を務める。

伝統を受け継ぐには、技術だけではなく心も伝えていかなければならない。
だからこそ、歴史や文化を超えて人々を圧倒する工芸品からは想いも感じることができる。
今回ご紹介するのは、日本刺繍作家の宮崎静花さんだ。宮崎さんがインタビューで語ってくださったことは、以下に書き起こした通りである。

この道に入ったきっかけ

「刺繍を始めたきっかけは、一つの作品との出会いです。それは日光森林警備隊を描いた刺繍を見た時でした。絶句するほど感動したのを覚えています。それから学校で刺繍を習って、卒業してからも多くの先生に弟子として育てていただきました。『宮崎さんに教えることはないよ』と言われるまで教えていただきましたし、技術を磨いていました。日本刺繍を軸に、油絵・日本画・弓道・茶道・染色など10種類くらいの習い事を同時にやっていましたね。」

静花流の特徴

「刺繍の糸には、東京は太め、京都は細めという大きな違いがありますが、私はその中間の太さで刺繍します。これは肖像刺繍を行うのに都合がいいからなんですね。というのも、髪の毛なんかは糸1本で表現するからなんですね。色作りに関しては、糸を撚る(よる)ことで色の濃淡を作ります。そのため、無い色を買うのではなくて自分で作ることを大切にしています。」

心も大切にする刺繍教室

「技術を教えるのはもちろんのことですが、刺繍を通して作法や道徳を教えて人格形成も大事にしています。そういったことも師匠・先生の役目なのかなと考えています。刺繍を習いにきた親御さんと一緒に来ている小学校1年生や2年生に子供作法教室も兼ねてやっています。」

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世界への架け橋

「刺繍だけでなく、手工芸作家どうしの横のつながりをネオ・ジャパニズム委員会を通して作っていっています。いろんな方との交流ができると、自分も磨かれるし、作品の幅も広がるかなと思っています。実際に外国に行って展覧会をやることもあって、領事や大使からは日本の文化は素晴らしいと褒めていただいていますよ。」

忘れられない経験

「実は、破門になってしまった経験があります。顔の刺繍が苦手な先生のもとについた時に、他の方に習って私は顔の刺繍ができるようになったんですね。師匠にしてみたら、悔しかったんじゃないかなあと思います。破門と言われましたけど、お礼奉公は2年間のところを3年間しっかりやりましてね。苦い経験はいっぱいありましたけど、このことは特に印象的なことですね。」

作家としてのスタンス

「なんでも一つのことに長けるというのが大事だと思うの。だけど、専門職だけではお堅くなってしまうから、そこに肉付けをしていかないといけないから、なんでもできて、一本すじを持てばいいんじゃないかなと思います。 」

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「指導するためにも、絵だけでなく陶器やガラス細工でも幅広いものを見て学んで指導にあたっています」と、常に自らの技術も磨く宮崎さん。とても温かいお人柄で、そういった作家の全てが作品からも感じ取ることができた。

宮崎静花さんの作品

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宮崎静花日本刺繍教室のご案内

宮崎静花日本刺繍教室案内

 

宮崎静花日本刺繍教室
〒144-0052
東京都大田区蒲田1丁目15-16 クリエールミヤザキ2F
TEL:03-3734-1066
FAX:03-5710-0343
MAIL:info@seikaryu.jp
HP:http://www.seikaryu.jp/

ネオ・ジャパニズム委員会
TEL/FAX:03-6657-8991
MAIL:info@neo-japanism.jp
HP:http://www.neo-japanism.jp/

講師紹介
森 綾子(Ayako Mori)
埼玉県出身
日本刺繍作家
ネオ・ジャパニズム委員会会員
宮崎静花日本刺繍教室 本部アシスタント
元読売日本テレビ文化センター(北千住)講師アシスタント

1995年 '99 '00 '03 '07 '08 '13  
 ニュークリエイティブ展(東京都美術館)入選
2005年第1回「NEO-JAPANISM特別展覧会」in Wien 南東地区芸術家協会賞 
 (ウィーン/パレ・パルフィ)
2008年「NEO-JAPANISM特別展覧会」in Wien東京展 出展 
 (銀座有楽町/朝日アートギャラリー)
2008年第41回「サンフランシスコ桜まつり」友好親善と展覧会 ラジオ毎日賞
 (サンフランシスコ/ジャパンセンター)
2009年第3回「NEO-JAPANISM特別展覧会」in Wien パレ・パルフィ賞 
 (ウィーン/パレ・パルフィ) 
2010年「NEO-JAPANISM海外出品作家紹介展」 出展 
 (有楽町/東京交通会館)
2011年NEO-JAPANISM主宰「東日本大震災チャリティー作品展」出展 
 (池袋/オレンジギャラリー) 
2012年W・T・T(welcome to tokyo)20周年 出展 
 (品川/グランドプリンスホテル新高輪)
2012年第5回「NEO-JAPANISM特別展覧会」in Boston 出展 
 (ボストン/学校法人Kaji Aso Studio)
2012年「NEO-JAPANISM特別展覧会-ボストン報告展・会員交流展-」 出展
 (新橋/アトムCSタワー ホワイトギャラリー)
2014年「翔・日本の心 工芸・手工芸作品展」 出展 
 (有楽町/東京交通会館)
 2014年第6回「NEO-JAPANISM特別展覧会」in Lithuania 銀賞 
 (リトアニア ヴィリニュス/タウンホール〈旧市庁舎〉)
2014年工芸・手工芸作品展「ネオ・ジャパニズム リトアニア帰国展」出展
 (有楽町/東京交通会館) 
2014年「ネオ・ジャパニズム委員会 特別展覧会」出展
 (鳥取県東伯郡/国指定重要文化財 河本家住宅)

森 綾子作品集

日本独特の繊細さを活かしたい−絽ざし作家 黒川朋子−

2016.01.10

1200年以上続く伝統文化−絽ざし−

2016.01.07