はんこの故郷へ…山梨の六郷

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みなさん、ハンコはいくつお持ちですか?
最近は昔より機会は減ったものの、やはり生活の一部として欠かせません。
認印や銀行印と様々な種類がありますが、最も重要なのは社印や実印です。
唯一無二のそれらのハンコ、何処の誰に作られたのかのルーツを探ってみれば、もしかすると、「六郷」の「手彫印章職人」によって作られた作品かもしれません――。
もしそうならば、そのハンコは安心して長い間使うことができるでしょう。なぜなら、そこは日本一の印章の生産地だからです。

今回は、山梨県にある伝統的工芸品「甲州手彫印章」とその産地、六郷地区、そして何故そこで作られた印章が日本一と言えるのかをご案内します。  

◎ハンコの里 六郷

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山梨県西八代郡市川三郷町岩間の六郷地区は、ハンコの里六郷と呼ばれています。 最寄駅はJR甲斐岩間駅。山間からは富士山を臨むことができ、自然に囲まれた静かで空気の澄んだ地区です。

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マンホールやトイレ、様々なところでハンコに書かれる書体のひとつである、篆書体(てんしょたい)が用いられており、ここに住む人々のなかに印章への親しみが深く根付いていることが伺えます。  

◎日本一の生産地

明治のはじめ、甲州の水晶と加工技術が振興したことがきっかけに、六郷は水晶印章の生産地として発展してゆきました。手彫りの印章が主だった時代には、日本全国の5割はこの地で生産されていました。その頃から続く高度な手彫りの技術は人から人へ、長い歴史と年月をかけて受け継がれており、現在でも日本一の品質を誇っています。  

◎甲州手彫印章

六郷で生産される伝統的工芸品のハンコは、手作業によって作られます。 ハンコは婚姻や財産など、人生を大きく左右する場面で契約の証明のために使われるので、直筆の文字と同じように、自分自身の分身とも言い換えることが可能です。そのため、全く同じものが二つとあってはならないよう、手で彫るときにはそれぞれ違うものを作らなければいけません。字体、文字の大きさ、線の太さや長さ、傾き加減等々、職人とお客さんが話し合いながらデザインを決定することで、この世で一つだけのものが出来上がります。  

◎印章資料館

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六郷地区のハンコの歴史については、印章資料館にて知ることができます。目印は入り口付近にある日本一の巨大な2m、重さ3tのはんこです。昭和62年に手彫印章の職人50名の手によって作られたもので、刻字作家・望月文斎氏の直筆で「不動如山」と書かれています。  

〜最後に〜

ハンコの里は、温泉地として有名な山梨のなかでも指折りの温泉である「みたまの湯」(みはらしの丘)と同じ三郷町にあり、週に数回旅館に地区の職人が赴いて実演や販売が行われています。甲斐岩間駅からの距離は車で30分、電車(甲斐上野駅)と徒歩で行けば50分ほどです。直売のほうが値段も安く、職人ともゆっくり相談できるので、ぜひ足を伸ばして訪れてみてはいかがでしょうか。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

Rie

東京都在住の文学部生。趣味は映画観賞、読書、絵画。ものの背景にある、歴史や作り手の物語を知るのが好きです。