彩の国さいたまで鑑賞する和の美〜盆栽〜

「盆栽」は近年、世界でも注目されており、熱狂的なファンもいる日本の芸術であり、趣味の一つです。
今や「BONSAI」として根強い人気がある盆栽は、日本からの輸出はもちろん、その産地の木を盆栽に仕立てることが一般化している地域もあります。
世界中の注目を集める盆栽を、自分が育てていなくても、身近で感じられる場所があるのをご存知でしょうか。

埼玉県さいたま市には、「大宮盆栽村」という6つの個別の盆栽園と美術館で形成される地域があります。

今回は、オススメ散策ルートと共に「大宮盆栽村」をご紹介します。

※全ての施設での園内・館内撮影が禁止されているため、外観のみの写真となります。

◎盆栽とは

盆栽とは、盆栽鉢や盆器と言われる小さな鉢に草木を植え、枝ぶり、葉姿、幹の肌、根、鉢などを鑑賞するものです。
小さな鉢の中には、壮大な自然の景色を創りだし、その過程はもちろん完成品を鑑賞するのが醍醐味とされています。言い換えると「芸術作品」であり、同じものが2つとして作れない、その時をも楽しめるものであります。

盆栽の魅力はそのものが持つ力。四季を感じさせ、気持ちを落ち着かせ、どこか癒やしてくれるところです。

◎大宮盆栽村とは

元々は東京都の駒込、巣鴨、本郷などで盆栽園を営んでいた業者が関東大震災での被災を機に、盆栽に適した土質や水、恵まれた広大な土地を求め移住しようと決めました。話し合いの結果、当時松林であった現在の埼玉県さいたま市に移住することに決まりました。
埼玉県は各地に酒蔵があり、もともと大宮は水が綺麗であることも決め手の一つでありました。
最盛期の1935年には約30もの盆栽園がありました。

About Bonsai Village

現在、大宮盆栽美術館と6つの盆栽園により構成されており、各園主のこだわりを盆栽を通して楽しむことが出来ます。

スタート:大宮公園駅

Omina-Koen Station

今回のオススメ散策ルートのスタート地点は東武鉄道野田線(東武アーバンパークライン)の大宮公園駅。
JR大宮駅から野田線で4分のこの駅は、一日9000人以上もの人が乗降する駅です。

改札付近は大宮盆栽村の案内もあります。

◎スポット1:芙蓉園(ふようえん)

Fuyo-en

盆栽の種類の一つである「真柏(しんぱく)」としては世界一と言われている「昇天の龍」を所有していることで有名な盆栽園です。
園主は現在、一般社団法人日本盆栽協会の理事長も努めており、日本全国を飛び回る傍らこちらの盆栽園を運営している。

アクセス

◎スポット2:松濤園(しょうとうえん)

Shoutou-en

こちらは盆栽には欠かせない鉢を多く取り扱う盆栽園となっています。
盆栽に必要な物が集まり、園主から盆栽に関する知識を聞くのに適している園となっています。

アクセス

◎スポット3:清香園

Seikou-en

嘉永年間に江戸、今の台東区根津で創業したこちらの盆栽園は、松竹梅から雑木、花物・草物まで、日本の「粋」を創出しています。
また、こちらは一般向けの盆栽教室を営み、今では園内の本校、大宮そごう校、東京・表参道校の3箇所で開催しています。現在の代表の山田香織さんは盆栽を海外へ積極的にPRする活動もされています。

アクセス

◎スポット4:九霞園

Kyuka-en

剪定バサミや又枝切り、ピンセットなど世界初の盆栽道具類の開発に関わった園主が運営することで有名です。
こちらの盆栽園では、国内植物に限らず、外来植物や園芸植物など300種を越える盆栽を培養しています。
また、剪定の要となるハサミの入れ方やその研ぎ方についてもこだわっています。

アクセス

◎スポット5:盆栽四季の家でちょっと一息

Shiki-no-Ie

大宮盆栽村の唯一の休憩所とも言える場所です。
6つの盆栽園と美術館を回る合間にこちらに立ち寄り、お茶を一杯。なんていかがでしょうか。

こちらは、1984年(昭和59年)12月20日に、18世紀初めに建てられた東角井光臣(ひがしつのいみつおみ)家の居宅の一部を移築模写復元し、開設されました。
盆栽園見学の際に利用できる休憩室はもちろん、華道・茶道・句会などの文化活動として利用出来る和室もあります。
中には囲炉裏もあり、どこか懐かしさを感じられ、ついくつろぎ過ぎてしまう空間となっています。

Shiki-no-Ie-inside

開館日・時間
 和室:1月5日〜12月27日 9時〜21時30分
 休憩所:1月4日〜12月28日 9時〜17時
アクセス

◎スポット6:蔓青園

Mansei-en

1925年に開演し、5代にわたる盆栽村の老舗中の老舗。2009年には園内の全面改装を施し、ギャラリーとしての機能も備えた展示空間で美術盆栽、水石などをしつらえて展示しております。こちらの盆栽園の特徴はなんと言っても園外にそびえ立つ一本松。これを目印に歩けば必ず蔓青園にたどり着けます。

アクセス

◎スポット7:盆栽について学ぶならここ!大宮盆栽美術館

Bonsai Art Museum

2010年(平成22年)3月28日に、盆栽に親しむ機会の提供を軸に、関心を高め、盆栽文化の振興を図り、盆栽を介して国際交流や愛好家などの交流を促進するべく開館しました。

展示スペースでは様々な企画展示が開催されている他に、館内では盆栽の歴史やイロハを丁寧に解説しているスペースもあります。
まず、盆栽を始める前に知識をつけるにはこちらがオススメです。

また、盆栽広場や盆栽庭園も併設しており、季節の盆栽を楽しめます。

所在地
埼玉県さいたま市北区土呂町2丁目24番地3
敷地面積
6,335.07平方メートル
延床面積
1,497.58平方メートル
主な施設
1階:ロビー、映像コーナー、コレクションギャラリー、企画展示室、盆栽広場、盆栽庭園、ショップ
2階:講座室、盆栽テラス
駐車場
44台駐車可能
休館日
木曜日(休日は開館)、年末年始、展示替え期間
観賞料
一般:¥300
高校生・大学生・65歳以上:¥150
小学生・中学生:¥100
アクセス

Bonsai Art Museum 2

◎スポット8:藤樹園

Touju-en

こちらの盆栽園では1966年より一般の方を対象とした盆栽教室を開催しています。
盆栽を身近に、ペットのように可愛がり育てて欲しい。そのような願いが園主の運営スタイルから伝わってきます。

アクセス
 

〜最後に〜

今回は、6つの庭園と美術館を巡るルートを各種スポットの歴史と共にご紹介しました。
盆栽は、年齢性別問わず、誰でも始められる趣味の一つであります。そして盆栽も生き物です。盆栽は、まるでペットを飼っているかのような気持ちになれ、四季折々の美を表してくれます。

2017年には盆栽の世界大会である「第8回 世界盆栽大会inさいたま / World Bonsai Convention Saitama Japan 2017」が、この大宮盆栽村があるさいたま市で開催されます。

是非この機会に、大宮盆栽村へ訪れ、和の美を味わいませんか?

 

第8回 世界盆栽大会inさいたま
 
詳細はこちら⇒http://world-bonsai-saitama.jp
第8回世界盆栽大会inさいたま

 

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