はじめての歌舞伎座

歌舞伎座に歌舞伎を観に行く楽しさは何だと思いますか?

火事や戦争によって建て替えられながらも、1889年(明治22年)から存在する歌舞伎座。
役者さんが登場すると、場内がドッと盛り上がり、「◯◯屋!」「待ってました!」と芝居通の客から掛け声がかかることもあります。そういった観客と役者との阿吽は、数百年の間受け継がれてきた独特な伝統であり、観劇していると、何だか自分が長い歴史の中の一部になったような気持ちにさせてくれます。
人それぞれだと思いますが、これもひとつの楽しさです。
かといって、そう恐縮するものでもありません。

この記事では、はじめて行く人が楽しめるように、チケット購入から帰路まで銀座の「歌舞伎座」で過ごす1日をご案内します。行ったことのある人も知っておくと役に立つ、豆知識も併せてご紹介します。

その1:チケットを予約しよう

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<web予約>

チケットは、チケットweb松竹というサイトから、簡単に予約することができます。クレジット決済で郵送を選んだ場合、予めチケットを手元に持っておくことができ手数料も掛かりませんが、ポストに届くのには凡そ数日かかるので余裕を持って予約しましょう。利用にはユーザー登録(無料)が必要です。詳しくは、公式サイトのご利用ガイドをご覧ください。

<演目>

通常歌舞伎では、
昼の部 午前11時開演 (3時頃に終了)
夜の部 午後4時40分開演 (9時頃に終了)
とそれぞれ3つの演目を行います。 どちらを観ても良いですが、昼と夜では役者や内容が違うので、慎重に選びたいところです。 歌舞伎美人という公演情報サイトに大まかなあらすじが載っているので、それを読んで自分にとって興味のある演目を選びましょう。また、お目当の役者の出番がある部を選ぶというのも有りです。 部の中の3演目の構成としては、一概には言えませんが、一番目がシリアスな悲劇、二番目が華やかな舞、三番目が明るい喜劇の三本立てが多いです。

<座席選び>

一等席 18,000円
二等席 14,000円
3階A席 6,000円
3階B席 4,000円
1階浅敷席 20,000円(限定の浅敷弁当とお茶のサービス)
これらが通常価格です。座席表と値段を見比べながら選びましょう。

以下、座席選びの参考になる豆知識をどうぞ。
・上手(かみて)と下手(しもて)
客席から見て舞台の右側を上手、左側を下手と言います。役者から見る左右とは逆なので、舞台用語ではこう呼びます。
・花道
花道というのは、役者が舞台に出入りするために使われるもので、舞台の延長としてここならではの演技や演出があります。花道より上手の一等席は花道も舞台も間近で観ることのできる席として大変入手が困難です。
・見切れる
舞台の端まで見れないことを見切れるといいます。一等席であっても、最前列などはかぶりつきで迫力を味わうことができる反面、見切れてしまう場合があるので、舞台全体を見渡したいときはおすすめしません。舞台と座席との角度に注意しましょう。また、二階以上の席は花道が見切れる場合があります。
・オペラグラス
遠くからの席でも役者の顔を見ることができます。電気屋などで千円前後で購入することもできますし、歌舞伎座限定デザインのものも場内の売店で売られています。  

その2:身支度をしよう

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<服装>

特別なお洒落をする必要はありませんが、折角ですから余所行きの晴れ着を着ていくと良いでしょう。
かといって気兼ねすることはなく、男女共に普段着の人も来られるのでご安心ください。
とても綺麗にお着物を着こなしている方を沢山見られるのもひとつの楽しみです。

快適に観られるように注意点を数個列挙しておくのでご参考にどうぞ。
NGなお洒落
・サンダル ・髪の毛を盛る、帽子を被る(後ろの人の視界の妨げに)
・着物の帯を大きく結ぶ(前屈みでの観劇になって周りのご迷惑に)
・あまりにも踵の高い靴(館内は混雑するので危険、前の席を蹴ってしまうことも)

<持ち物>

絶対必要
・チケット
・お財布
有ると便利
・オペラグラス
・飴や飲み物(喉が乾燥するので)

その3:観劇を楽しもう

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<イヤホンガイド>

劇場の入り口やロビーにある「イヤホンガイド貸出所」で借りることができます。
古典歌舞伎だと、セリフが古文で理解しにくいことがありますがこれがあれば安心と、初心者から長年のファンまで大変人気です。
また、特別企画で休憩時間に役者へのインタビューや解説が流れるなどといった工夫もこなされています。通常料金は、650円+保証金1,000円(返却の際に返される)英語版もあります。
サイズはポケットに入るくらいで邪魔にならず、イヤホンはカナル型(耳栓型)なので音漏れの心配もありません。

<休憩時間>

幕間(まくあい)と言って、一つの演目が終わると必ず休憩があります。三つの演目の場合、だいたい30分、20分、15分と休憩があります。
この長い休憩時間をどう上手く使うかは、公演の次に非常に重要な問題です。

<飲食>

幕間が一番長いときに、昼の部だったら昼ごはん、夜なら夕飯を食べましょう。
・レストラン
劇場内にはレストランがいくつかあります。予約制なので、公演が始まる前に予め予約しておかないとすぐに席が無くなってしまいます。3階に「東京吉兆」と「花籠」、2階に「鳳」というお食事所があり、日本料理、ウナギの蒲焼き、そして本場の「幕の内弁当」(幕間にお客や役者が食べるからこう呼ばれるようになったと言われています)も食べられます。
・お弁当
歌舞伎座は、公演中は控えた方が無難ですが、席で自由に飲食することができます。場内にあるお弁当屋はすぐに売り切れてしまうので、入場したらすぐに買って持っておきましょう。お値段はだいたい1000円〜3000円前後。サンドイッチやお寿司もあります。
・持ち込み
時間とお金を節約したい方は、デパートやコンビニなどで買って持って行くことも可能です。その場合は、あまり臭いの出ない、座席の狭い空間でも簡単に食べられるものにする気遣いを忘れずに。
・外出
外へ食べに行くこともできます。しかし、時間が限られているので先に場所やメニューなど確認しておいて、公演に遅れないよう気をつけましょう。

<お土産>

地下鉄で「東銀座駅」に降りた場合、地下には魅力的なお土産屋が沢山並んでいます。また、場内1階の右奥にもお土産屋があります。歌舞伎揚げはもちろん、色とりどりの手拭いも人気です。

<お手洗い>

公演前と休憩時間は混雑しますが、数が多いので列の長さに比べると意外とそんなに待つことはありません。場内入って左の階段を降りた地下一階にあるお手洗いが比較的空いています。  

その4:安全に帰路につこう

<混雑>

観客が一斉に出ますので非常に混雑します。急がずに歩きましょう。場内を出れば散り散りになるので、焦ることはありません。  

〜最後に〜

折角観劇に行くのだから、充実した歌舞伎座の1日を過ごしたい。でも、これだけ知っておけば、初めてでも安心でしょう。
忙しい日常も忘れて、晴れの気分を存分に楽しみ、思い出に残る1日をお過ごしください。  

 

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