お手玉に詰まった楽しさ

突然ですが、「お手玉」で遊んだことがありますか? 幼い頃に祖母から教えてもらいましたが、まわりには多種多様な遊びが氾濫していて、夢中になることはありませんでした。 しかし、お手玉には現代でも老若男女を問わず楽しめる要素が詰まっています。 今回はそんな日本の伝統的な遊びの魅力の一端をご紹介いたします。

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◎お手玉とは

小さな布袋に小豆や大豆、数珠玉の実などを入れ、数個を一組にして縫い合わせた玩具のことです。中には、ハブ茶・そば米・しじみの貝殻などを入れる事もあります。
しかし材料の重さは各地共通で、ほぼ40gとなっています。卵一個より少し軽いくらいの重さです。種類も豊富で、一般的な「座布団型」や、角張った枕のような「枕型」、俵の形の「俵型」、巾着袋に似た「かます型」などがあります。
お手玉は遊びを通して裁縫や正座などの行儀作法を身に付けることができたため、昔から日本では女の子の遊びとして親しまれてきました。
現在では手先の細やかな動きが認知症予防に繋がることも注目されています。  

◎遊び方

お手玉を使って遊ぶことを「お手玉をする」などといい、歌に合わせ、手を使って空中にほうり投げて楽しむのが一般的です。複数のお手玉をジャグリングのように同時に操ったりと、技術の上達を楽しむこともできます。
文化や地域によって様々な遊び方がありますが、その中からオススメをご紹介します。
【お手のせ】
.数個のお手玉のうち一つを大きく、または目立つように色を変えて作り「親玉」とします。残りの玉(4〜5個)は「子玉」とし、床においておきます。
.親玉を上に投げたら、下に落ちてくる間に投げた手で子玉を一つつまみ反対の手の甲にのせます。この時、親玉は床に落とさずにキャッチしなければいけません。
.のせた子玉はそのままにしておき親玉を投げて、また子玉をのせます。親玉以外の子玉を全てのせられたら成功です。
.キャッチした親玉も手の甲にのせます。そして手の甲のお手玉を一度に投げ上げ、左手でまとめてつかみ取ります。落とさずにつかめた数で勝負します。  

◎お手玉歌

お手玉をしながら歌う歌のことで、手まり歌と類似しているものが多いので、一度は聞いたことがあるかもしれません。また、リズムを取りながら練習すると上達が早いそうです。ここでは代表的なものをご紹介します。
【あんたがたどこさ】…題材は熊本県ですが、埼玉県川越市発祥とする説も。
あんたがた どこさ  肥後さ 肥後どこさ 熊本さ 熊本 どこさ  船場さ 船場山には 狸が おってさ それを猟師が 鉄砲で 撃ってさ 煮てさ 焼いてさ 食ってさ それを 木の葉で ちょいと 隠す
【一番はじめは】…数え歌形式ですが、実は小説をモチーフにした歌の続きがあります。
一番はじめは一宮     二また日光東照宮 三また佐倉の宗吾郎    四はまた信濃の善光寺 五つ出雲の大社      六つ村々鎮守様 七つ成田の不動様     八つ八幡の八幡宮 九つ高野の弘法様     十は東京心願寺  

~最後に~

元来、お手玉はありふれた遊びとして親しまれ、作り方や遊び方が伝承されたものでした。しかし、核家族化が進行するとともに伝承が難しくなってしまいました。
昔遊びがこのまま消えてゆくのは淋しいものです。 otedama2

お手玉は、遊んでいるだけで集中力を高めてくれ、あえて難易度の高い技に挑戦することで脳が活性化します。最近は地域の名産品を扱ったお手玉もお土産として多くなっています。美しいお手玉はインテリアとしても楽しめますね。 外が寒い日などには、家でお手玉をしてみませんか?

 

参考:
日本のお手玉の会
お手玉

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