生活に根付く「日本の迷信9選」

迷信

日本には数多くの迷信が存在していますが、そのほとんどが科学的な根拠がなくとても非現実的に思えます。しかしそれらは適当な作り話などではなく、日本人が生活の中で作り上げてきた社会のルールや習慣、価値観、知恵などに深く根差しているものなのです。そこで今回は「日本に伝わる迷信」から9選を、シーン別にご紹介いたします。

江戸の街並みイメージ

 

1. 夜に爪を切ってはいけない
主に二つの説があり、一つは昔は電気がなかったため夜の暗がりで爪を切ると足を傷つけたり深爪をしてしまうからという説。もう一つは「夜爪」→「世を詰める」に通じてしまい、自分の人生が縮んで親より先に死んでしまうからという説です。また、夜という時間自体も霊的に良くないとされていました。

2. 落ちている鏡を拾うのは縁起が
悪い鏡がものを映し出すのは光の反射によるものですが、昔の人は鏡に不思議な力があるからだと信じてきました。その鏡には人の姿を映すだけでなく、同時に魂も映っていると考えられ、誰の魂がこもっているかもわからない鏡を拾う事を恐れたのです。

3. くしゃみをすると誰かに噂されている
くしゃみは自分で止めようとしても止められないことから、昔の日本では霊的な現象として扱われていました。現代ではくしゃみをすると誰かに噂されているとよく言われますが、1回なら褒められている、2回なら憎まれている、3回なら惚れられているなどとされています。

◎食べ物

4. お酢を飲むと体が柔らかくなる
お酢は現代では様々な飲用効果があるとされていますが、江戸時代でもダイエット効果があると信じられており、骨や体が柔らかくなると考えられていました。実際は疲労やストレスで溜まった乳酸によって体が固くなっているときに、酢を飲むことによって乳酸が分解され柔軟性を取り戻すことができるという仕組みです。

5. 夜越しの茶は飲むな
前日使った茶葉でお茶を入れてはいけないというものです。これは、お茶の苦みの元になるタンニンが酸化するためですが、酸化したタンニンは胃壁を刺激するので体に良くありません。ちなみにタンニンは緑茶だけでなく、ほうじ茶やウーロン茶、紅茶にも含まれています。

6. 初物を食べると75日寿命が延びる
初物とはその季節に初めてできた野菜や果物のことです。昔は輸送手段が今ほど発達していなかった分、食べ物の季節感が大事にされており、特に初物は旬であり栄養や味が格別なことから生命力が溢れた食材とされていました。

◎動物

7. 朝の蜘蛛は敵でも逃がせ、夜の蜘蛛は親でも殺せ
朝の蜘蛛は吉兆の証とされ、見つけると良い来客がある・金が手に入る・その日は晴天になるなどと言われています。しかし逆に、夜蜘蛛は夜にこそこそと動く泥棒をイメージさせることから、夜に蜘蛛を見たら始末すべきとされています。同じ蜘蛛でも時間によって真逆の迷信を持っているなんて面白いですね。

8. ツバメが低く飛ぶと雨が降る
雨が降る前はジメジメして空気中の湿度が高くなります。すると、虫は交尾をしようとして低いところに集まる性質があります。このとき、ツバメなどの鳥は虫を食べるために低いところを飛ぶのです。

9. カラスが鳴くと人が死ぬ
真っ黒いカラスは古来から信仰の対象や神の使いと考えられてきたと同時に、不吉な魔物というイメージも持たれてきました。鳴くと人が死ぬという話は不吉にも聞こえる鳴き声と同時に、「お供え物を狙うため、そして住処となる巨木が多くあるため墓地によくいる」=「死者の近くにいる」というように連想される点が大きな要因となっています。

女性

~最後に~

迷信を信じるかどうかは本人次第ですが、それらが生まれた背景を知ることでいかに私たちの暮らしに寄り添っているかを感じることができますね。歴史や文化が垣間見える言い伝え、あなたはいくつご存知でしたか?理由を聞けば頷けるものもあり、ただの噂とは侮れません。

 

参考:
意外と深い日本の迷信
迷信・言い伝えのページ

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