松が腹巻きのようなものを巻いているのを目にしたことがありませんか?
実は、この腹巻きと「啓蟄」には関係があります。
そして最後には衝撃の事実をご紹介しますので、お楽しみに!
◎読み方・意味
「啓蟄」の読み方は「けいちつ」です。 啓は読めても蟄はなかなか見る機会もなく難しいですよね。
それぞれの漢字について意味を見てみると、 啓は「ひらく」、蟄は「土中で冬眠している虫」 つまり、春が近づくにつれ暖かくなってきて、冬眠していた虫が土中から出てくる時期を指していることが分かります。
年によって違いはありますが、3/6ごろにあたり、春分の前日までの期間でもあります。
◎旬の食材・花
食材は、はまぐり・わらび・鰆(さわら)など。 この時期の花では、アセビ・菜の花、ギンヨウアカシアなどがよく見られるようになります。
◎腹巻きの正体、啓蟄との関係
さて、啓蟄と松の腹巻きの関係について見ていきましょう。
あの腹巻きは「こも巻き」と言って、藁であらく編んで作られたむしろを巻きつけたものです。
マツクイムシなどの害虫が、温かい土中と間違えて過ごす性質を利用したもので、伝統的な害虫駆除法なのです。
この「こも巻き」を取りはずす「こもはずし」という作業を啓蟄に行うのが恒例行事となっていることが多いので、関わりがあるのです。
◎調査から分かった衝撃的事実
こも巻きで捕獲されていた虫を4年間にわたって調べた結果によると、益虫が50%に対して害虫はなんと4%しかいなかったのです!
ほとんどの害虫は幹の割れ目や中に潜んでおり、こも巻きでは退治できないのだとか。
このような事実から、自治体によって松のこも巻きをやめているところもあるようです。
春の訪れを感じる行事のひとつだけに、害虫を駆除できるこも巻きの開発によって、これからも残していきたいですね。
フォローしていただくと、更新情報を受け取ることができます。