郊外にある農家のお宅に、この季節になると大きな鯉のぼりが飾られ、毎年見かけていても、思わず「おぉ!」となる今日このごろ。
端午の節句の準備はできていますか?
鯉のぼりと一緒にかかせないのは五月人形ですね。
ひとえに五月人形と言っても、様々な種類があります。
ここでは、大鎧のものを見ていきましょう。
大鎧というのは、馬上で弓を射るのが主流であった平安から鎌倉時代に開発されたもので、上流階級の武士のものでした。
鎧の両端には、弓矢と太刀が飾られています。
後ろの屏風にも、様々な絵が用いられます。なかには、日本歴代の有名画家が描いたものもあるようです。
この鎧の背景には、鳥が描かれていました。威厳を感じます。
写真をとっていて、ひとつ気になることがありました。
お気づきになりますか?
そうです。胸部に垂れ下がっている装飾が左右違うものになっていたのです。
左側を栴檀板(せんだんのいた)、右側を鳩尾板(きゅうびのいた)といいます。
どちらも、胴に隙間ができないように身体を守るための防具です。これがないと、太刀を振ったり、弓矢をかまえたときに、脇の防御があまくなってしまいます。
なぜ違うものかというと、弓を引く、太刀を振るという動作は右腕でやるため、革もしくは鉄板一枚の鳩尾板よりも、三段からなる栴檀板の方が動きやすいためです。
こちらの大鎧の作り手が書かれた立て札もあります。
端午の節句の象徴のひとつ、五月人形。
年月が経っても色褪せない。ここにもまた、さりげない職人技を感じることが出来ますね。
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