日本のハーブでひと休み

お正月や新年会で美味しいものをたくさん食べ過ぎて、気分はハッピーでも体への負担を感じるこの頃です。
そろそろ胃を休ませたい。そう思っていたら、この時期にピッタリの食文化がありました。
七草粥です。
ところで、七草ってどんな植物が含まれているの?
秋にも七草ってあるけれど、年に2回あるの? など、小さな疑問にお答えしながらまとめていきます。

七草をお粥にして食べるようになったのは江戸時代であり、元は野菜が乏しい冬場に不足しがちな栄養素を補うためや、病気を治し、万病を防ぐためのものでした。現代では生活が豊かになり、前述したように食べ過ぎて負担がかかった胃をお休みさせるためにぴったりな食べ物という位置づけに変わってきています。
七草の種類には地方により違いがありますが、ここでは関東で広く知られているものをご紹介いたします。

セリ

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ビタミンCやミネラルが豊富であり、免疫力を高めるとともに、増血作用がある。また、βカロテンも豊富であるため、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防にも効果がある。

ナズナ

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熱を下げ、利尿作用がある。雑草扱いされている植物ですが、ミネラル・ビタミン・食物繊維はバランスよく豊富に含まれています。

ハコベラ

ハコベラ
タンパク質・ミネラルそのほかの栄養に富んでおり、古くから薬草として使われています。

スズナ(カブ)・スズシロ(ダイコン)

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ジアスターゼが消化を促進し、コレステロールを下げる成分も含まれています。また、スズシロには胃の不快感を解消し、ビタミンCが肝臓の働きを高めてくれます。

ハハコグサ

ハハコグサ
咳止めや内臓に効果があります。

ホトケノザ

ホトケノザ
健胃・整腸作用・高血圧予防に効果があります。

秋にも七草がありますが、これは七草を食べるのではなく鑑賞するものであるため異なることは意外と知られていないかもしれません。ちなみに、秋の七草は女郎花(おみなえし)・ススキ・桔梗(ききょう)・撫子(なでしこ)・藤袴(ふじばかま)・葛(くず)・萩(はぎ)となります。中でも桔梗と藤袴は絶滅危惧種に指定されており、密かに秋の七草で風情を感じることが出来なくなるのではと心配しています。

江戸時代から伝わってきた七草粥。現代の食生活においても理にかなっています。
寒いこの季節にもぴったりのお粥で体を温めながら、七草で体調を整え、良い新年のスタートをきりたいですね。

 

参考:
ホームクッキング(kikkoman)
人生は整理整頓
キキョウ wikipedia
フジバカマ wikipedia

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