街の木々にイルミネーションの装飾がなされ、クリスマスの準備が始まりました。イルミネーションが目立ち始めると、社会人としては年末モード突入といった感じでしょうか。
年末といえば忘年会シーズン。頑張った仲間と年内の苦労を忘れるための宴会として、毎年恒例の行事と言っても過言ではないですよね。
今回は忘年会にちなんで、会の最後に欠かすことの出来ない「手締め」に関することをまとめます。
「一本締めで!」
「一丁締めで!」
この違い、ご存知ですか?
1,手締めとは
物事が無事に終わったことを祝って、掛け声とともに手拍子を打つものです。行事を取り仕切った人が行事が無事に終了したことを感謝することなので、来賓の方が音頭を依頼されても断るのが一般的です。
手拍子の前の掛け声は「イヨーオ」と言うのが一般的ですが、「イヨーオ」は「祝おう」が転じたものとされています。
ルーツは古く、古事記の神話の中で事大主神(ことしろのみこと)という人物が、返答をする際に拍手を打って承知したことからだとされています。このことから、拍手を打つことが物事が落着することにつながり、拍手を打つ→手を打つ→手締め と変わってきました。
確かに、現代でも手を打つというのは決着をつけるという意味で使われていますよね。
2,江戸締め
手締めは地方により少し異なりますが、ここでは、広く行われている江戸締めをみていきましょう。
江戸締めには「一本締め」と「三本締め」があります。拍数の「タンタンタン タンタンタン タンタンタン タン」は3回の拍が3セットで九になり、もう1回手を打つことで「九」に点が打たれて「丸」になることから「丸く納めました」の意味あいになっています。
※以下「●=一拍子」として説明していきます。
2−1,一本締め
3回・3回・3回・1回のリズムで手を打ちます。
イ,「お手を拝借」
ロ,「イヨーオ」 ●●● ●●● ●●● ●
ハ,「ありがとうございました」(拍手)
一本締めは三本締めを簡略化したものであり、時間がない場合に使われます。
2−2,三本締め
一本締めを3セット連続で行う
イ,「お手を拝借」
ロ,「イヨーオ」 ●●● ●●● ●●● ●
ハ,「イヨッ」 ●●● ●●● ●●● ●
二,「もう一丁」 ●●● ●●● ●●● ●
ホ,「ありがとうございました」(拍手)
一本目は主催者に、二本目は来客に、三本目はこの行事に向けたものであるとされています。
3,一丁締め
イ,「お手を拝借」
ロ,「イヨーオ」 ●
ハ,「ありがとうございました」(拍手)
一本締めの変形として1回だけ手を打つもの。お店などで、周りの方に迷惑をかけずに手締めを行うことができ、とても便利です。
しかし、一本締めと同じように簡略化されているものなので、フォーマルな場ではあまり好まれません。
また、一本締めと混同されやすいので注意が必要です。
4,一つ目上がり
打ち手の指の本数を増やしながら一本締めを5セット行う。
イ,「お手を拝借」
ロ,「イヨーオ」 ●●● ●●● ●●● ●(人差し指のみ)
ハ,「イヨッ」 ●●● ●●● ●●● ●(2本指)
ニ,「イヨッ」 ●●● ●●● ●●● ●(3本指)
ホ,「イヨッ」 ●●● ●●● ●●● ●(4本指)
ヘ,「イヨッ」 ●●● ●●● ●●● ●(手全体)
ト,「ありがとうございました」(拍手)
末広がりで縁起がいいとされていますので、ぜひやってみてください。
音頭をとる方は「タンタンタン タンタンタン タンタンタン タンの一本締めでお願いします」というように、一言添えるとより良いでしょう。
宴会の最後に何気なく行っていた手締め。年内の苦労を仲間と労ったあとは、その時間を楽しめたことに感謝をする意味でも、気持よく手締めで納めましょう。
参考:
・手締め
・手締め
・「手締め」の研究
photo by Evan Amos
フォローしていただくと、更新情報を受け取ることができます。