NIPPONを楽しむ:伝統工芸品展2015

伝統的工芸品とは経済産業大臣により伝統的工芸品の振興に関する法律(通称:伝産法)に基づき認定された日本の伝統工芸品を指します。
また、日本の伝統工芸品は一般的に手仕事で作られ日常生活で使われるもののことを指します。

“伝統的工芸品”は経済産業大臣により認定されますが、“伝統工芸品”の多くは都道府県によって認定されています。中には両方から認定されているものもあります。

11月23日~25日の三日間に渡り、ヒューリックホール(東京・浅草橋)にて開催される『関東ブロック 伝統的工芸品展2015』の様子を出展している都道府県別ご紹介します。

◎関東ブロック 伝統的工芸品展2015とは

毎年、秋~冬にかけて関東の1都10県から集まった工芸品と工芸士が展示と実演をするイベントとなっています。昨年は文京シビックセンターにて開催され、今年はヒューリックホール(浅草橋)での開催となっています。

名称
関東ブロック 伝統的工芸品展2015 ~NIPPONを楽しむ~
開催期間
2015年11月23日~25日
(23日:15:00~・25日:~17:00)
開催場所
ヒューリックホール&ヒューリックカンファレンス
東京都台東区浅草橋1-22-16 ヒューリック浅草橋ビル 2F
主催
一般財団法人 伝統的工芸品産業振興協会 ・ 関東ブロック伝産事業実行委員会
後援
関東経済産業局・茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・新潟県・長野県・山梨県・静岡県
入場料
無料
アクセス
・JR総武線 浅草橋駅[西口]より徒歩1分
・都営浅草線 浅草橋駅[A3出口]より徒歩2分
・JR秋葉原駅より徒歩10分

公式HP
http://www.kanto-kogei.com/

◎茨城県

真壁石燈籠(まかべいしどうろう)

tourou2015

日本庭園には欠かせない物であり、その見た目は重量感とは裏腹に、柔らかさのある繊細優美な彫刻が特徴です。苔(こけ)が付くことにより、一段とその特徴が生かされ、一層の優雅さと趣きを与えます。

◎栃木県

益子焼(ましこやき)

mashiko2015

益子地域でとれる陶土と、釉薬(ゆうやく)等の技術がかけあわされてこそ生まれる作品であり、素朴でありながら落ち着いた艶のある焼き物です。

◎群馬県

桐生織(きりゅうおり)

kiryu2015

先染めジャガード織物である桐生織は種類が豊富であり、とてもハイセンスなデザインや紋様が特徴的です。

◎埼玉県

春日部桐箪笥(かすかべきりたんす)

kasukabetansu2015

無駄な飾りを廃した地味で質素な外観と、直線を基調にしたデザインが特徴です。

江戸木目込人形(えどきめこみにんぎょう)
岩槻人形(いわつきにんぎょう)

iwatsuki2015

桐の粉をしょうふ糊で固めた桐塑(とうそ)で作った型に、筋彫りをし、そこに布地をきめ込んで作られる人形で、やや細面で目鼻立ちがはっきりとした顔立ちとなっています。
衣装を着せずとも衣装人形の感じを出すことができ、破損しにくく精巧度の高さが特徴的です。

iwatsukiningyou2015

秩父銘仙(ちちぶめいせん)

chichibumeisen2015

玉糸を用いた地合いが緻密で,丈夫で実用的なものが多くあります。

◎千葉県

房州うちわ(ぼうしゅううちわ)

boushuuchiwa2015

良質の女竹を骨部分に、真竹を弓部分に使用しています。丸柄であることが特徴的であり、丈夫で半円の格子の模様が美しいうちわです。

◎東京都

東京手描友禅(とうきょうてがきゆうぜん)

yuzen2015

東京手描友禅は、生産している土地柄を背景に色数をおさえた粋なデザインを特色とし、明るい色調と新しさのあるデザインとなっています。

江戸木版画(えどもくはんが)

mokuhanga2015

絵師、彫師、摺師(すりし)が一体となりつくり上げる作品です。

村山大島紬(むらやまおおしまつむぎ)

ooshima2015

軽く着心地が良く、多くが祖母から母へ、そして娘へと受け継がれてています。その伝統の味わいは、現代においても人の心が通うファッションとなっています。

東京染小紋(とうきょうそめこもん)

somekomon2015

伊勢型紙が型紙として小紋染に用いられ、それらは熟練した技術者によって手彫りされています。東京染小紋は、長い歴史と技術によって生み出され、その微妙な幾何学模様と単色でありながら粋で格調高い趣を持つことが特徴です。

edosomekomon2015

本場黄八丈(ほんばきはちじょう)

kihachijou2015

本場黄八丈の色は黄色・茶色・黒の3色で、渋みある色合いが優雅な絹織物です。

東京銀器(とうきょうぎんき)

ginki2015

「金属工芸の粋」とも言われている東京銀器は、器物、置物、装身具等、日常生活の色々な分野で利用されています。

多摩織(たまおり)

tamaori2015

かつては伝統的に渋い実用的な作品が多く作られていたものの、近年は洗練されたデザイン、新しい感覚、優れた技術をとり入れつつ、伝統的な技法を守った製品が多くなっています。

江戸指物(えどさしもの)

朝廷用・茶道用が発達した京指物に対し、江戸指物は武家用、商人用および江戸歌舞伎役者用のものが発達しました。 木目の美しさを最大限に生かし、すっきりとした形と堅牢な作りで江戸の粋を表現しています。

江戸硝子(えどがらす)

edoglass2015

伝統的な技法を用いて作られるガラス細工の一つであり、江戸切子とは違い削らないのが特徴的です。

江戸切子(えどきりこ)

edokiriko2015

幾何学的模様から成される美しさは目を引かれる作品が多く展示されており、その色使いと美しさが特徴となっています。

江戸べっ甲(えどべっこう)

bekkou2015

べっ甲の特徴は軽い為に使いやすい、それからツヤの独特な光具合が魅力です。

◎神奈川県

鎌倉彫(かまくらぼり)

kamakurabori2015

大胆な彫刻模様と、マコモ墨という墨を朱色の漆に蒔き付け、彫刻の立体感を強調する方法は、他の漆器に見られない鎌倉彫が持つ大きな特徴となっています。

箱根寄木細工(はこねよせぎざいく)

yosegi2015

種類豊富な木々を用い、自然の色合いを生かして幾何学文様を表現し、インテリアはもちろん日常的に使えるデザインとなっています。

小田原漆器(おだわらしっき)

odawarashikki2015

優れた挽物の技術と、自然の木目の美しさをに生かした漆塗りが特徴的です。

◎新潟県

新潟漆器(にいがたしっき)

niigatashikki2015

花塗、石目塗、磯草塗、錦塗、竹塗などの多彩な塗りが特徴的なのが新潟漆器です。多くの製品を違う技法を使い生み出しています。

村上木彫堆朱(むらかみきぼりついしゅ)

tuishu2015

木製木地に細かい彫刻技術と、その彫刻を引き立たせる漆塗りの技術が独特です。村上木彫堆朱は、堆朱(ついしゅ)、堆黒(ついこく)、朱溜塗り(しゅだまりぬり)等6種類の技法の総称です。

羽越しな布(うえつしなふ)

uetsu2015

羽越地域の山間部に生育するシナノキ、オオバボダイジュ又はノジリボダイジュの樹皮から取れる靭皮(じんぴ)繊維で糸を作り、布状に織り上げたものです。

越後与板打刃物(えちごよいたうちはもの)

uchihamono2015

400年余りの歴史を持つ与板の打刃物は、火作り鍛造技法によるものが特徴的で、その切れ味、使いやすさに定評があります。

◎山梨県

甲州手彫印章(こうしゅうてぼりいんしょう)

koushuinshou2015

水晶研磨術に含まれた水晶印材の製造と、印面に文字を彫る技術の発展は、ツゲ材、水牛材等にも及び、他県に見られない産業形態を構成しています。

甲州印伝(こうしゅういんでん)

inden2015

漆模様付けされ、丈夫で軽く柔らかい鹿の皮で出来た袋物は、使い込むほど手に馴染み、その味わいは一点ものとなります。

甲州水晶貴石細工(こうしゅうすいしょうきせきざいく)

suishoukiseki2015

同一作品は他になく、天然宝石の特徴を活かした作品が多いのが甲州水晶貴石細工です。

◎長野県

南木曽ろくろ細工(なぎそろくろざいく)

nagiso2015

天然の木目を生かして素朴で温かい手作りの良さを、木製品の隅々にまで感じさられる作りとなっており、十分に選びぬかれた天然木の木質など、細かな変化に合わせて作られるのが特徴です。

飯山仏壇(いいやまぶつだん)

iiyamabutsudan2015

独自技法の肘木組みによって作られる空殿がよく見えるように細工された弓長押(ゆみなげし)は飯山仏壇の特徴のひとつです。

松本家具(まつもとかぐ)

matsumotokagu2015

ミズメ(ミズメザクラ)を主素材とし、欅(けやき)・栃(とちのき)・楢(なら)も使用し、漆で塗装されていることから、使い込むことに味が出てくることが特徴的です。

◎静岡県

駿河竹千筋細工(するがたけせんすじざいく)

surugatakesen2015

細く丸く削られた竹ひごをしなやかに曲げ、竹の輪に組み込んでゆく技術を用います。丸ひごの持つ温かさ、柔らかさが感じられます。

◎スペシャルコーナー:テーブルデコレーション

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入り口付近に設置された特別コーナーでは、日本の伝統工芸品を日常生活で使うための参考となるショールームがあります。 新しい使い方の発見はもちろん、品目の掛け合わせ方など、参考になるものとなっています。

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体験コーナー

本イベントでは、参加者が実際に工芸品を作る体験コーナーもあります。
日にちによって違い品目も限られていますが、自ら工芸品を作る機会は少なく、貴重なのでぜひ体験してみてはいかがですか。

体験一覧

伝統的工芸品 23日 24日 25日 体験内容
岩槻人形

20名
13:00〜18:00

人形小物の鼓に紐を通して完成
江戸指物

5名
15:00〜17:00

15名
10:30〜17:00
10名
10:30〜16:00
桧材による箸作り
江戸切子 20名
15:00〜17:00
20名
10:00〜17:00
20名
10:00〜16:00
小皿・ペーパーウェイトに切子を施す体験
江戸木版画 10名
16:00〜17:00
10名
16:00〜17:00
10名
11:00〜12:00
多色摺りの木版画を摺り、ブックカバー・しおりの製作
新潟漆器 90名
15:00〜17:00
90名
13:00〜18:00
90名
10:00〜16:00
重ね漆塗りの箸を水研ぎにて、模様を研ぎ出す
越後与打刃物 20名
15:00〜18:00
20名
10:00〜18:00
20名
10:00〜16:00
ミニかんなで削る箸の製作
甲州手彫印章 30名
15:00〜18:00
30名
10:00〜18:00
30名
10:00〜16:00
参加者の名前の一文字を彫る、ハンコ彫りの体験
飯山仏壇

30名
13:00〜18:30

30名
10:00〜16:30
漆の塗り板に金箔押しを体験するスタンド額の製作

※体験は一律¥1,000となっています

〜最後に〜

Mikoshi Storysで取材した職人も参加されており、一人ひとりの作り手に会える貴重な機会となっています。 品目は店頭で見る機会があっても、作り手に会う機会はなかなか無いので、ぜひ足を運んでみてはいかがですか?

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