東京都の伝統工芸品である「江戸つまみかんざし」は、羽二重を使った伝統的な製法で、デザインから完成までを一人が一貫して手作りしています。
今回は、「江戸つまみかんざし」の製作工程をご紹介します。
(つまみかんざしに関する記事はこちら『日本人の美意識がここに「つまみかんざし」の魅力とは』)
1,作品の構想
作品の図案・色彩の配色・材料の選定などの構想を練ります。
2,羽二重
薄手の羽二重(1巻きの長さ約43メートル)を8メートルくらいに裁断します。
3,染色
七五三用には化学染料を用い、成人式・大人用には草木染めの手法で、裁断した羽二重を染色します。草木染めは植物の根などから作る天然染料を使って染めますが、狙った色を出すことが難しいものです。草木染めで染めたものは、独特の落ち着いた色が特徴です。
4,ノリひき
染め上がった羽二重は、屋外で伸子張りを行い、刷毛を用いて薄くノリひきを行います。
5,きれたち
のりを乾燥させた後にものさしで寸法を図り、丸包丁を使って2〜10センチくらいの正方形に裁断します。
6,つまむ
細かく裁断された羽二重を1枚ずつピンセットを用いて折りたたみ、のり板の上に並べていきます。この時に、やわらかさを表現するには「丸つまみ」力強さを表現するには「角つまみ」の手法を使い分けます。丸つまみは花びらが丸くなる折り方、角つまみは花びらがピンととがった形になる折り方です。
7,ふく
のり板に並べられた「丸つまみ」「角つまみ」は、ピンセットを用いて花や蝶の形になるように台紙の上に置いて行きます。
8,組み上げ
極天糸(絹糸)を用いて花や蝶を一本にまとめ、かんざしの形に組み上げていきます。
9,仕上げ
同じく極天糸を用いてビラや足を取り付け、髪に挿せるように仕上げます。
〜おわりに〜
こうして一つ一つ丁寧に作られた江戸つまみかんざしは、着物の女性の髪飾りや、部屋のインテリアとしても使われています。
【つまみかんざし博物館】
住所:東京都新宿区高田馬場4-23-28ヒルズISHIDA401号
Tel:03-3361-3083
Mail:kanzasi@ask.ne.jp
HP:http://www.ask.ne.jp/~kanzasi/