和楽器は日本の伝統的な音楽に用いられており、実はその多くは他国からもたらされたものです。
ですが、和楽器といっても弦楽器、管楽器、打楽器、玩具・民具的なものと多くあり
それぞれがどのような場面で使われるのかがわかりにくいものもあります。
今回は木管楽器の一つである「篠笛」についてご紹介します。
◎篠笛とは
篠笛は日本古来から使われている横笛です。
篠笛自体は日本で考案された楽器ではなく、雅楽の横笛として知られており、貴族や武家などの上流階級が使用していた「龍笛」「能管」を庶民向けに形を変え定着してきました。
木管楽器の一つであり、雌竹(めだけ)に歌口(うたくち)と指孔(ゆびあな)を開け、竹の内部に漆または合成樹脂を塗ることによって完成されます。
※歌口:画像左側、口をつける部分
※指孔:画像右側、指で穴をふさぎ音を調整する部分
今日は日本古風の音調ではなく、ドレミ音調のものが多くなっています。
◎篠笛の作り方
篠笛は女竹(めだけ)を原料としています。
素材となる竹を採取するところから制作は始まり、
裁断・湯がき・殺菌・室内干し、天日干しを経て篠笛の原形となる形になります。
これらの工程を経るだけでは穴あけには入れず、篠笛としての機能を最大限に引き出すべく
真っ直ぐにする必要があります。
曲がってしまっている雌竹は、火で炙った後に「矯め木(ためき)」を使用し竹を矯正していきます。
矯正後は、基礎加工として
歌口、指孔、内径の処理を施します。それぞれの大きさや形状、厚みが大事となります。
(画像は笛工房 和康さんで撮影したものを使用しています)
基礎加工が終わると、調律となります。
多くの場合、チューナーを使用し、音階の誤差を確認し加工を施します。
最後に染料で染めたり、和柄をほどこしたりとアレンジをして篠笛が完成します。
◎篠笛の魅力と音調
篠笛には、「古典調」と「ドレミ調」の2種類があり、魅力はその音色です。
古典調は、お囃子(おはやし)や雅楽、歌舞伎などで使用されることが多く、ドレミでは具体的に表せれない
でも、耳がその音を知っているというのが特徴です。
ドレミ調は、近年人気になり、ドレミ調の篠笛を使用しアニメや歌手の楽曲を自分で演奏する人も増えてきています。
篠笛を始めとする和楽器の音色はネットでも確認することが出来ます。
録音した音色と実際に聞くのでは違いは生じますが、イメージをつかむことができると思います。
コチラから篠笛の音色を聞くことが出来ます。
⇒篠笛ManiaX – 和風横笛愛好
(写真は2015年度神田祭にて)
~最後に~
和楽器というと和太鼓や三味線であったり琴をイメージすることもあると思いますが
木管楽器の一つである篠笛はお祭りにて使用される音楽の主旋律(リード部分)であり、誰もが一度は聞いたことがあるはずです。
お祭りに参加される際は、是非注目してみてはいかがでしょうか?
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