コタツがくれる温もりと発見

まだまだ寒い日が続きますね。
この時期、凍えた身体に欠かせない日本ならではの暖房アイテムといったら何でしょうか?
…そう、それは「コタツ」です!

今回は、一度入ると外に出たくなくなるほどの力を持つ、この魅惑の家電についてご紹介いたします。
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◎コタツの誕生

コタツが最初に登場したのは室町時代。囲炉裏の上にやぐらを置いてふとんを掛け、暖をとりました。伝統的な日本の住宅は隙間が多く、風通しがとても良い構造になっていました。そのため部屋全体を暖めることよりも、住人の身体のみを暖める方法が発達しました。コタツはふとんを使用するので中の空気が密閉され、足や下半身、時には全身を暖めるのに効果的だったのです。

江戸時代になると、囲炉裏の代わりに火鉢を使った、動かせるコタツが登場します。このコタツの登場によって、それまでの囲炉裏のコタツを「掘りゴタツ」、火鉢のコタツを「置きゴタツ」と区別するようになりました。

そして電力が熱源となった現在の電気コタツは、冬場の暖房器具としてだけではなく、夏期にはふとんをはずし、ちゃぶ台や座卓代わりとして通年利用されることも多いようです。

◎効果と注意

・冷え症改善
体が冷えやすい冬は、冷え症の方にとっては特に辛い季節ですね。手や足などコタツに入っている部分だけが暖まれば、血行が促進されるので結果的に体全体が暖まります。これにより、冷え症の改善が期待出来ます。

・脱水症状
コタツで眠ると暖かくてとても気持ちいいですよね。しかし、コタツで寝てしまうと身体の水分の排出量が布団で寝る時よりも多くなってしまいます。水分不足から脱水症状へと繋がってしまう可能性があるので、もしもコタツで寝て起きた時にだるさや疲労感を感じた方は、十分な水分補給をしましょう。

 

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◎コタツを出す日

現代では皆、思い思いにコタツを出していますが、江戸時代ではコタツを使い始める日が決まっていました。
旧暦では月や日に十二支が割り振られていますが、旧暦10月(亥の月)の最初の亥の日を「炬燵開き(こたつびらき)」と呼んで、この日にコタツを使い始めたと言われています。

なぜ、亥の月亥の日に「炬燵開き」をするのでしょう。
昔のコタツは火を使っていますから、一つ間違えば火事になってしまいます。亥(イノシシ)は火を免れる意味を持つという考えから、この日からコタツを使い始めると火事にならないという風習になりました。

ちなみに昨年の10月の初亥の日を新暦に換算すると2014年11月24日でした。もう随分寒かったと思います。あなたはこの日までコタツを出すのを我慢することができたでしょうか。

~最後に~

なるべくこたつから出ることなく生活しようとする人のことを「カタツムリ」をもじって「コタツムリ」と呼ぶことがあります。頭だけ外に出した状態でテレビを見たり寝転びながら本を読んだり…。こんな時間もたまには必要です。
一度、コタツムリになってみませんか?

 

参考:
おしゃれこたつ おすすめガイド
日本文化いろは事典
やわらか頭のススメ

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