Cool&Kawaii 伝統的工芸品

「伝統的工芸品」という言葉を知っていますか?
「伝統工芸」とは別に、工芸品の主要な部分である原材料や技法が継承されていて、そのうえで改良がなされ、時代の需要に合ったものづくりがなされている物のことを「伝統的工芸品」と呼びます。

12月19日~21日までの三日間に渡って東京の文京シビックセンターで開催された『関東ブロック 伝統的工芸品展2014』では、関東の1都10県から集まった工芸品とその作り手達がひと所に集まり、所狭しとそれぞれの持ち味を誇っていました。

「NIPPONを楽しむーCool&Kawaiiー」というテーマが掲げられているように、長い歴史を持って引き継がれたものによって「日本」を知り、魅力を再発見することのできるイベントとして賑わっていました。

【伝統的工芸品に認定されるには?】
法律上では以下のような要件が必要となっています。
1. 主として日常生活で使われるもの
2. 製造過程の主要部分が手作り
3. 伝統的技術または技法によって製造
4. 伝統的に使用されてきた原材料
5. 一定の地域で産地を形成
(※伝統的とはおよそ100年以上の継続を意味します)

【現場レポート】 それでは、実際どのようなものが展示されていたのか見てみましょう!
(※写真撮影は主催者側の許可を取って行いました。カメラで撮影したものですので、色彩など実物のものとは異なっていますことをご了承下さい。)

江戸切子(東京)

IMG_1631言わずと知れた江戸切子。なんと雅なのでしょうか。幕末に黒船で来航したペリー提督が献上されたガラス瓶の見事な切子に驚嘆したという逸話も頷けます。

箱根寄木細工(神奈川)

IMG_1613-e1419187801134美しい幾何学模様には緻密な手工芸の技法がみられます。また、近年海外へのお土産として静かに人気を伸ばしているという秘密箱。目でも手でも楽しめる遊び心のある品物です。

房州うちわ(千葉)

IMG_1635京うちわ、丸亀うちわと並び日本三大うちわのひとつとして有名です。一本の竹を割いて作っているため丈夫で軽く、心地よい風を運びます。デザインも素敵です。

銀器(東京)

kogei一枚の銀からこういった味わい深い薬缶やコップが職人の手によって創り出されるのには本当に感嘆させられます。模様や装飾もすべて金槌や手作業によって施されています。

村上木彫堆朱(新潟)

IMG_1610-e141918791078315世紀のはじめに漆器職人が中国の堆朱の技術を真似たのがはじまりとされています。もとは寺院に用いられた技法であったためか、小物でも荘厳さが感じられます。

また、現代のニーズに合わせた工夫や創造力を感じさせる、こんな品々もありました。

江戸木版画(東京)

IMG_1614-e1419188088448江戸の粋を映した木版画の伝統は、今でも手刷りで受け継がれています。技が織りなす絶妙な色合いや色彩の華麗さは、額縁の中だけに収まることを知らず、様々なグッズへの進出を行っています。

職人の方が実際に赴いて常駐し、その場で製作工程の実演や工芸品の詳しい説明をしているブースも多くありました。生で見聞きできる滅多にない機会を得られるのもこういったイベントの特徴です。

益子焼き(栃木)

山奥で取れる特別な土を原料とし、そこから不純物を取り除いた上質な粘土によって作られているため、手に馴染むことはもちろん、上品な素朴さが台所と生活に彩を与えてくれます。 IMG_1633 ろくろと職人の手で瞬く間に作品が生まれる様子が圧巻で見入っていたら、「やってみなよ!」と声を掛けて下さいました。
(※体験は常時受け付けているわけではないので、ご注意下さい。)

繊細な手さばきと、それに対する土粘土の手応えは滅多に味わえない体験でした。別の角度から作品を知ることができて感激です!

作品を目にしたときの驚きと感動や、ふと浮かんだ素朴な疑問を作り手に伝えることで、双方にとって新しい発見をもたらすということがあるものです。そういった交流によって、継承されてきたものがさらなる発展を遂げてゆけば良いと思います。

この他にも、数多くの地域から工芸品が出展されていました。さらに詳しい出展品目についてはこちらをご覧ください。

【イベントについて】 今回行われたイベントに展示されている工芸品は国から「伝統的工芸品」の認定を受けており、主催は一般財団法人 伝統的工芸品産業振興協会と関東ブロック伝産事業実行委員会によってとり仕切られました。  

 

匠の技というのは、足を運んで肉眼で見て感じなければ伝わらないところがあります。もっと言えば、実際に何年も使っていくことで真価が見えてきます。つまりは、簡単に言葉や絵に表されたり、手に入れたりはできないほどの唯一無二な見事さが伝統的工芸品にはあるということです。
この度のイベントでは、作り手と使い手の一対一の関係が会場のあちこちにありました。こういったものは現代のような大量生産や大規模な商店がなかった時代にあった古き良き文化です。技術や品物を伝統として守っていくと同時に、そういった人と人との繋がりも存続していきたいですね。

2015年2月19日〜24日に池袋の東武百貨店にて行われる『伝統的工芸品展WAZA2015』では関東ブロックだけでなく、全国の伝統的工芸品が集結します。ご興味のある方は、ぜひご参加ください!

 

<関連リンク> 東京の伝統工芸品 伝統工芸青山スクエア

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ABOUTこの記事をかいた人

Rie

東京都在住の文学部生。趣味は映画観賞、読書、絵画。ものの背景にある、歴史や作り手の物語を知るのが好きです。