世界中を見渡してもまれなほど、日本人は時間に厳しいと言われます。
電車は1分の乱れもなく動き、待ち合わせには10分前集合。
どうやら、このように時間に厳しくなった起源として「時の記念日」が関係していそうです。
時に関する豆知識と共に見ていきましょう。
◎欧米を見習って合理化を

「時の記念日」は、時間の大切さを尊重する意識を国民に持ってもらおうと、1920年に制定されました。
日本書紀によると、天智天皇が初めて設置した漏刻(ろうこく)(水時計)が、鐘を鳴らして時を伝えたのがちょうど6月10日だったことから、この日になりました。
◎干支を使った時間の表し方

この記念日が制定される前、1日を12等分し、十二支をあてはめて時刻を表していました。

またこれとは別に、江戸時代は日の出を「明け六つ」、日の入りを「暮れ六つ」として、その間を6等分する時間の数え方もありました。
時代劇でよく耳にしますね。
◎おやつの由来

時に関することを見ていくと、こんなことまで見えてきます。
おやつの「やつ」とは、昔の「八つ」つまり午後1時〜3時ころのことを意味します。
1日2食だった江戸時代は八つの頃に食べる習慣があり、それがおやつのはじまりなのです。
欧米を見習っていた時代から、いつしか日本が見習われる側へと成長したことが、時の記念日から垣間見ることができますね。
参考:
春夏秋冬を楽しむくらし歳時記(成美堂出版)
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