神輿はこうして出来ている

 中台製作所は、神輿づくりの工程をほぼ全て自社でやっている、数少ない神輿屋である。
神輿づくりとメンテナンスの工程の一部を見せていただいたので、ご紹介しよう。

(中台製作所代表の中台洋さんのインタビュー記事はこちら「150年の伝統受け継ぐ神輿屋」)

中台製作所 中台製作所で象徴的なのが、この神輿型の建物。神輿を2階へ運ぶためのものだ。

 

中台製作所

中台製作所 運ばれてきた神輿は解体され、パーツごとにそれぞれの職人が修理していく。 漆で塗装されていた部分は、サンドペーパーで削り、新しい漆を塗っていく。
ペーパーをかけた時に、最初に漆を塗った職人の腕前が分かってしまうという。

 

中台製作所

中台製作所再び漆が塗られることで漆独特の光沢を放ち、息を吹き返す。

 

中台製作所 神輿の装飾を作っている工程。一つ一つを手作業で針金でつないでいく。

 

中台製作所 装飾に金箔を貼る工程。貼ったものが浮かんでしまわないようにするのが難しく、職人の技量が問われる。

 

中台製作所 出来上がりが気になり、チェックを入れる中台さん。取材中も気を配り、的確にアドバイスをされている。

 

中台製作所14

中台製作所 装飾の鳥を支える柄の部分を仕上げる工程。1つずつ手作業で丁寧に作っていく。

 

中台製作所 中台製作所 中台製作所16.2

中台製作所 1枚の金属の板から、たがねという工具で打つことで凹凸をつけて立体的なものを作り上げていく。数えきれないほどのたがねがあるが、どれも同じものはなく、表現したい形にあわせて選んでいくという。
見せていただいたのは、金属を金属で削る作業。黒板を爪でひっかくような音が響いている。

 

中台製作所 中台製作所 中台製作所

中台製作所 木の板に図面が書かれていて、まさにこれから神輿づくりが始まるものもある。
作られている途中のものを見ると、パーツ1つ1つの角が滑らかなものや、綺麗な曲線を描いているものが多いのが分かる。
この曲線を作るのも職人の手作業。そのための鉋(かんな)も数えきれないほどあり、小さいもので親指ほどのサイズだ。

 

中台製作所 こちらでは、装飾を神輿に打ち付けている。木のままでも十分美しいが、装飾が付けられることで堅牢さと華やかさが生まれる。

 

中台製作所 中台製作所には、神輿に興味を持った訪日観光客のほか、小学生が見学に訪れる。150年受け継がれてきた、ここでしか見られない本物の神輿づくりに、皆さんも触れてみてはいかがだろう。

 

【中台製作所】
住所:千葉県市川市本塩21-3
TEL:047-357-2061
HP:http://www.mikoshiya.com/index.php

 

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