可愛いくも大人なお菓子「和三盆」とは

甘いものは、人をほっとさせて幸せな気分にしてくれます。
でも、もう少し甘さが控えめな方がいいな…と思ったことは多くありませんか?

日本に昔からある干菓子(ひがし)に「和三盆(わさんぼん)」というものがあります。
大人な甘さで見た目にも可愛く、口でとける不思議なお菓子「和三盆」とは、どのようなものなのでしょうか。ご紹介していきます。

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◎特徴

和三盆は、四国東部で伝統的に生産されている砂糖のことです。
黒砂糖よりもまろやかな風味と、細やかな粒子状で、くちどけの良さが特徴です。

◎歴史

江戸時代、享保の改革により、サトウキビの栽培が奨励されました。
財源の確保を目的として、高松藩が砂糖の製造を積極的に行ったことがはじまりです。
のちに精糖方法が確立され、特に徳島のものは阿波和三盆糖、香川のものは讃岐和三盆糖と呼ばれています。

◎製法

和三盆は、伝統的な製法により作られています。

・原料
竹糖(ちくとう)という品種のサトウキビを使用します。
・白下糖になるまで
秋に収穫したものを絞って汁を出し、石灰で中和した後、精製ろ過して結晶化させます。
結晶化したものを特に白下糖(しろしたとう)といいます。
・研ぎ
白下糖をお盆の上で水を加えて練り上げ、砂糖の粒子を細かくしていく「研ぎ」を行います。
(盆の上で研ぎを3回行うことが「和三盆」の名前の由来になっています!)
・圧搾
研いだ砂糖を布袋に詰めて圧搾し、黒い糖蜜を抜いていきます。
・乾燥
最後に、1週間かけて乾燥させれば出来上がり。

◎他の製法

このように、和三盆の精糖は複雑で、寒の水を使うこだわりから寒冷時にしか作ることが出来ないため、貴重で高価な砂糖として知られています。そのため、白下糖のかわりに粗糖を使って製造されるものも多くあります。

白下糖を使った伝統的な製法でつくられた和三盆は、職人によって限られた期間で丁寧に作られているため、高価なのですね。
上品な甘さと独特のくちどけを、一度は味わってみませんか。

 

参考:
三谷製糖

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