もの型り展2017〜作り手の職人たちと直に触れ合う〜

日本に古来から伝わる技術、伝統技法を用いて、自分オリジナルの商品が作れるとしたらあなたはどのような商品を作りますか?

このような願いを叶えるお手伝いをする職人グループが主催するイベントが東京の新名所でもある東京スカイツリータウン・ソラマチにて開催されています。

今回は、江戸職人グループ「もの型り」が主催する「もの型り展2017」についてご紹介します。

「もの型り展」とは

十人十種の職人が集まる江戸職人グループ「もの型り」。彼らが企画・運営する催事が「もの型り展」です。

4年目となる今年は、初めて東京スカイツリーソラマチタウンでの開催となりました。

【名称】
 もの型り展2017
【開催期間】
 2017年1月12日㈭〜16日㈪  10:00〜20:00
【開催場所】
 東京スカイツリータウンソラマチ 4階12番地(押上駅側4階エスカレーター広場)
【主催】
 江戸職人グループ もの型り
【入場料】
 無料
【アクセス】
 京成押上線・都営浅草線・東京メトロ半蔵門線「押上(スカイツリー前)駅」地下直通
【連絡先】
 会期中お問い合わせ:080-3712-5090
【HP】
 http://edomono.exblog.jp/ 

十人の職人によって構成される江戸職人グループ

江戸職人グループ「もの型り」は、十の異業種十職人構成により結成されたグループです。メンバーは墨田区だけではなく、中には埼玉県や東京都昭島市を中心に活動する職人もいます。

十人の職人

「もの型り」は以下のメンバーによって構成されています。

益田 大祐 山崎 明咲 岩下 江美佳 石橋 千絵子 石井 健介
磯貝 英之 青山 大輔 川上 正洋 横谷 昭則 山田 真照

【指物益田】益田 大祐

「もの型り」の代表を務める江戸指物職人・益田 大祐さん。

1997年に江戸指物師の渡辺氏に弟子入りし、2005年に独立し、2009年に墨田区に移転した。釘などを使用せず、木と木を組み合わせて形成される和家具を指物といます。益田さんは、歌舞伎や茶道で使用される道具作りを得意としています。

今回は、茶道で使用する道具だけではなく、現代のライフスタイルに合わせた名刺入れなども展示・販売しています。

 

【人形の藤村】山崎 明咲

会場でもひときわ目立つ人形を作っているのは市松人形師の山崎さん。

市松人形は、桐塑(きりそ)と胡粉(ごふん)で作られています。自然素材で出来ているからこそ修理が出来、年月が経つことによって生まれる味わいがあります。

【東京染小紋】岩下江美佳

東京染小紋または江戸染小紋として知られる江戸の工芸品の一つの染小紋。染小紋は伊勢型紙等を用いて染められており、その美しさは連続文様にあると言われています。

岩下さんは、2007年に東京染小紋伝統工芸士の認定をもらい、2008年に独立をした職人です。

【金属かざり加工】石橋千絵子

「もの型り」でウェブ担当を努める石橋さんは、簪(かんざし)を始めとする金属かざり加工をメインに取扱う職人です。

京都伝統工芸専門学校を卒業した石橋の作品は、簪という枠には留まらず、ストラップなども手がけています。

【足袋仕立て】石井健介

足袋仕立て職人の石井さんは、白足袋のみならず、現代のニーズに合わせたデザイン性のある足袋を手がけています。

また、石井さんは既製品としての足袋だけではなく、一人ひとりに合ったサイズのものを作るオーダーメイドも受け付けています。

【江戸べっ甲】磯貝英之

両国で70年以上続くべっ甲専門店の三代目を務める磯貝さん。

べっ甲工芸は、タイマイの甲羅を加工して出来上がるものであり、日本では主にクシやかんざし等が作られてきました。磯貝さんは、伝統的な作品だけではなく、現代のライフスタイルに合わせたネックレス等の制作を手がけており、今回の催事では様々な商品を展示・販売しています。

【手植ブラシ】青山大輔

埼玉県日高市を中心に活動する青山さんは手植ブラシを作る職人。

「ブラシ」は、明治に日本へ紹介された品物です。洋装がと共に普及したブラシ。日本語では「刷毛」と書いて”ぶらし”と読ませることも多くあります。

【染絵てぬぐい】川上正洋

てぬぐいと聞くと、ハンカチの普及により馴染みがない人もいるであろう商品。だが、一つ一つ絵が違い、その日の気分などによって持ち歩く柄を変えられるのも手ぬぐいの魅力の一つでもあります。

そんな手ぬぐいを作るのは、染師の川上さん。今回の催事では、既製品のみならず、今年の干支にちなんだ作品も展示・販売しています。

【江戸木彫】横谷昭則

日本には木を大事にする文化が古来からあります。そんか木々を使い、逸品を作る江戸木彫職人の横谷さん。

江戸木彫りは、仏像や寺院の建物、食器などの道具から装飾具など様々な商品を多岐にわたり関わっています。今回の催事では、横谷さんは能面などをメインに展示・販売しています。

【江戸切子】山田真照

江戸時代より伝わる技法を守り、時代のニーズに合わせた商品を作っている江戸切子職人の山田さん。

世界各国で作られるカットグラスに負けないクオリティを持つ江戸切子、そしてアクセサリーとして楽しめる作品を今回の催事では展示・販売しています。

伝統工芸を身近に

今回は、江戸職人グループ「もの型り」の代表である益田さんにお話を伺うことが出来ました。

益田 「どうしても伝統工芸と聞くと、年配の職人が伝統的なものしか作っていないというイメージが強いかと思います。私達のように若い世代が新しい取り組みを通して、新しいものづくりを発信できればと思っています。」

益田 「今までは、百貨店さんなどでの催事などが多かったと思いますが、今までとは一味違う催事を主催していきたいと思います。違う場所で、違う取り組みと。

是非、新しい伝統工芸の形を見に来て頂けたらと思います。」

〜最後に〜

既製品を作るだけに留まらず、人々が願う商品を作る。一人ひとりの「物語」を形にすることを可能にしてくれる十人の職人の想いが伝わる催事となっています。作り手の職人たちと直に触れ合うことも出来ます。
是非、東京スカイツリータウンソラマチへ足を運んでみてはいかがでしょうか?

【カメラマン:金子燎之介】