5色の鯉に祈りを込めて

 こいのぼりは5月5日端午の節句まで飾られ、夏の季語として知られています。また、ひと月遅れの6月5日までの地域もあるようです。
今回は、鯉のぼりについて、その歴史や意味と共にご紹介します!

鯉のぼり①

◎鯉のぼりと端午の節句

 江戸時代、男の子の節句として武家では甲冑やのぼりを飾る風習を町人が真似して武者人形や鯉のぼりを飾るようになったのが始まりとされています。
5月5日は、「子供の日」であり「端午の節句」とされていますが、この日はもともとは菖蒲(しょうぶ)や蓬(よもぎ)を軒先にさして、邪気を払う日であったとされています。
菖蒲や蓬を飾る風習は、現在では菖蒲湯につかるなどといった形で残っています。

鯉のぼり②

◎五節句について

 五節句とは、奈良時代に中国から伝わり、江戸時代には5つの節句が公式に法制化され、式日になりました。
・1月7日:人日の節句
・3月3日:桃の節句
・5月5日:端午の節句または菖蒲の節句
・7月7日:七夕の節句
・9月9日:菊の節句
 人日の節句以外は月と日が重なっていますが、これはかつて数字が重なると神の力が強く働くめでたい日という考えがあったためです。

◎なぜ5色なのか

 鯉のぼりというと、風にヒラヒラとなびき、派手な5色の吹き流しをイメージすると思います。実は、この吹き流しには大切な意味があるんです。
 吹き流すことの意味は、「魔除け」であり、授かった我が子が健康にすくすく育ちますようにと祈りを込めて鯉のぼりがあげられました。吹き流しには青(緑)・赤・黄・白・黒(紫)が使われており、これは古代中国の五行説に基いています。

鯉のぼり③

 今回は、端午の節句の風習である鯉のぼりに注目しましたが
こうやって意味を知ると毎年淡々と過ごしていた行事がよりいっそう楽しめそうな気がしますね。

 

参考:
『5月5日「端午の節句」についてのうんちく』
端午の節句

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