小江戸川越、歴史を求めて

「小江戸川越」の愛称で知られている埼玉県川越市。
JR新宿駅から埼京線・川越線で約1時間、西武新宿駅から特急 小江戸号なら約45分で行ける「小江戸川越」は東京から近く、どこか江戸時代を思い出させてくれる町です。

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江戸城を築城した太田資清(おおたすけきよ)と太田道灌(おおたどうかん)が川越城を築城したことから「江戸の母」とも呼ばれているこの町に、なぜ多くの人が集まるのでしょうか。
小江戸川越の魅力ある蔵造りの町並みと、喜多院周辺をメインにご紹介します。

◎川越市とは

川越市は埼玉県南西部に位置し、人口約35万人の市です。旧・武蔵国入間郡であり、川越から東京都への通勤率は16.3%と低くはありません。
埼玉県内でもさいたま市、川口市に次ぎ第3位の人口を有します。

川越市

面積
109.13平方km
総人口
350,161人(2015年5月1日現在)
人口密度
3,210人/平方km
市の木
カシ
市の花
ヤマブキ

◎小江戸川越と呼ばれる理由

江戸時代に親藩・譜代の川越藩の城下町として栄えたことから「小江戸」としての愛称で親しまれています。
多くの城跡・神社・寺院・旧跡・歴史的建造物があり、川越市に存在する文化財は関東地方で神奈川県鎌倉市、栃木県日光市に次いで第3位となっています。

また、埼玉県内で唯一「歴史都市」に国から認定されており、戦災や震災を免れた歴史的な町並みが残っていることから大切にされています。

◎蔵造りの町並み

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蔵造りとモダンな建造物を同時に楽しめ、小江戸川越ならではの風景となっています。
蔵造りとは、類焼を防ぐための巧妙な耐火建築として江戸の町家に用いられていました。

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この町並みは1999年に国の重要伝統建造物群保存地区に認定されおり、2007年には「美しい日本の歴史的風土100選」に選定されました。

「川越市蔵造り資料館」では、蔵造りの町並みの歩みをはじめとする歴史を当時の写真を交えて学ぶことが出来ます。

kawagoe-postoffice(蔵造りの町並み内にある郵便局もレトロ!)

◎時の鐘

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蔵造りの町並みを進むと見えてくるのが川越市のシンボルでもある「時の鐘」です。

約400年前に川越藩主の酒井忠勝(さかいただかつ)によって鐘楼(しゅろう)として建設されました。鐘楼とは、寺院の鐘つきをするところであり、今使われている時の鐘は4代目になり、1893年に起きた川越大火の翌年に再建されました。

3階構造の塔であり、その高さは約16mです。今は機械式で一日4回、午前6時・正午・午後3時・午後6時に川越城下に時を知らせてくれます。

◎菓子屋横丁

20数軒もの菓子屋・駄菓子屋が軒を連ねる菓子屋横丁は川越の有名スポットの一つでもあります。懐かしさを残したこの横丁の歴史は明治まで遡ります。

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明治初期、鈴木藤左衛門が川越名産でもあるさつま芋を原料にした菓子を製造していました。江戸っ子にも好まれていた菓子の製造と共に、弟子を育てることにも力を注いでいたと言われ、当時の横丁は藤左衛門からのれん分けをし、独立した店もあったと言われています。

関東大震災の時には、被害を受けた東京へここから製造供給をしており、昭和初期には約70軒以上の店があり賑わったと言われています。時代の流れと共に店数は少なくなるも、今でも多くの店が製造と販売をこの地で行っています。
そして、2001年には環境省の「かおり風景100選」に選定されました。

◎喜多院

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多くの建物が重要文化財に指定され、川越大師の名で知られる喜多院は、天台宗の寺院です。
喜多院も川越を訪れる際には外せないスポットの一つです。

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830年に円仁(えんにん・慈覚大師としても知られている)によって創建され、正式名称は星野山無量寿寺喜多院(せいやさんむりょうじゅじきたいん)といいます。
喜多院の特徴は、江戸城から移築された三代将軍徳川家光・春日局ゆかりの見物があることです。それは宮殿や書院などであり、「徳川家光誕生の間」や「春日局化粧の間」が現在も喜多院に残っています。今では櫓(やぐら)・門を除いて失われてしまったかもしれない江戸城の建築物の遺構となっています。

喜多院

名称
星野山 無量寿寺 喜多院
(通称:喜多院)
(別称:川越大師)
山号
天台宗
本尊
阿弥陀如来
創建年
天長7年(830年)
所在地
〒350-0036 埼玉県川越市小仙波町1−20−1
公式HP
http://www.kawagoe.com/kitain/index.html
アクセス
・東武東上線 / JR線川越駅から徒歩20分
・東武東上線川越駅徒歩から徒歩18分
・西武新宿線本川越駅から徒歩15分

kitam(出展:川越の観光サイト 小江戸っ子

〜最後に〜

東京からも近く、江戸の雰囲気を残す町、川越。
蔵造りの町並みには多くの飲食店もあり、商品を買って町を巡ることも出来ます。川越市の特産物であるさつま芋を使った商品が多く、川越の新しいグルメとも言えるCOEDOビールも多くの店でお求めできます。

coedo-beer

歩いて散策するのはもちろんですが、喜多院や菓子屋横丁は駅から少し離れているので、レンタサイクルや小江戸巡回バスを利用して巡るのもオススメです。

kawagoe-bus(小江戸巡回バス)

kawagoe-cycle(川越「自転車シェアリング」)

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