迎賓館赤坂離宮 前庭見学レポ

迎賓館1

開館40周年を記念し、赤坂迎賓館の2014年11月8日(金)~10日(日)に前庭公開が行われた。日本のヴェルサイユ宮殿とも称されるネオ・バロック様式の荘厳な建造物と広大な庭を目の前にしては、ただ圧倒されるばかりだった。通常、年に一度の抽選での限定的な公開以外は一般の立ち入りが禁止されている。

迎賓館とは、
外国から来日した首相や元首など国の賓客をお迎えし、宿泊やその他の接遇を行うための施設である。賓客を迎えている間には、首脳会談、式典、レセプション、晩餐会などといった行事が開催され、外交の一翼を担っている非常に重要な場所だ。この度見学をした赤坂の迎賓館の他に、京都迎賓館がある。

大きさ

敷地面積:117.992㎡(東京ドーム2.5個分)

歴史

紀州徳川家の江戸中屋敷があった場所が、明治5年に皇室へ献上されて「赤坂離宮」となった。そして、明治42年(1909年)に新東宮御所として現在の迎賓館が建設された。建設には10年余の歳月がかけられた。

迎賓館正面の装飾

迎賓館2

左は、左右に二つあるドーム型の装飾。地球儀のような球体の星は天体を表し、鎖国から解かれて世界へと進出してゆく日本の様子を表している。それを囲むのは鳳凰で、地球儀を守るように羽を広げていると同時に、胸を張って羽ばたいていくようにも伺える。掘られている紋章は、鳳凰の栖でもある桐である。

迎賓館3

それの内側で正面玄関の上に二体位置しているのが、兜を着た武者の像である。洋様式の建造物のなかにも和を取り入れることで、日本らしさを表現している。また、富国強兵への思いも込められている。入り口に配置することで、館全体を悪い気から守っている番人のような存在だ。

菊の紋章

迎賓館4

適切な判断力を表す桐の紋章は主に政府機関において使用され、高貴さを表す菊の紋章は後鳥羽天皇の時代から皇室が使用している。パスポートの表紙にあるのは菊の紋である。

迎賓館5

迎賓館の建物内へ入るための正面玄関には三つのドアあり、中心のものには菊が据えられていて(画像左)、左右のものには同じところに桐が据えられている。中心を通って入ることは天皇皇后両陛下と賓客だけが許されており、首相やその他の者は左右の扉を通って入館しなければならない。
また、外門の中心に据えられているのも菊の紋章である。

中門、外門

迎賓館6

これが一番外側の門である。その中に前庭が広がっており、次に中門(画像右)がある。中門の内側には石畳が敷かれており、賓客を招いたときには赤いカーペットが敷かれたり、式典や自衛隊の行進が行われたりする。

迎賓館7

写真をご覧の通り、迎賓館の全ては左右対称に造られている。計算し尽くされた美しさと、40年の歳月を経たことによる荘重さと尊さが建物からは感じられた。

この度の一般公開では前庭だけだったが、年に一度抽選で2000人もしくは1000人(年によって変わる)が建物内に入って見学することができる。迎賓館の後ろには裏庭が広がっており、その時に併せて見られる。通常8月に実施されるが、5月に応募受付があるので要注意だ。


関連リンク:内閣府

フォローしていただくと、更新情報を受け取ることができます。

「ものがたり」を共有する...